
南京大虐殺記念館
中国は広大だ。日本の国土の25倍ほどの面積がある。
13億人の人口がいて、60近い数の民族が存在する。
歴史が長いだけに見所は中国全土に点在する。
あまたある訪問先で、バドラーに訪問をオススメしたいのは南京だ。
あまり注目されない都市だが2千年以上の歴史を持ち、10の王朝が都を当地に置いた。北京、西安、洛陽に並ぶ中国4大古都となっている。観光地としても十分な魅力がある。
それに、広い中国の都市の中でも南京は日本から近い。
上海から新幹線でわずか2時間程度で行くことができるから、
上海から日帰りで行くことだってできる。
物理的には近い南京。心理的にはどこか遠い都市だ。
実際、南京を訪れる日本人観光客は少ない。
僕は15年前に上海に住んでいたのに、南京には足を運ばなかった。結構他の場所には旅したにも関わらずだ。住んでいた当時から、いつか行きたいと思っていたところだったが、なぜか、今年まで足を運ぶことはなかった。
日本人の足を遠のける理由は、戦争の暗いイメージからではないだろうか。
日中戦争中の1937年、南京大虐殺があった場所だから。
※南京大虐殺については、中国政府は30万人が亡くなったと主張。日本政府は「多くの非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」とし、被害者数については論争があります。
「南京に行ったら嫌がらせに合うんじゃないか」、そんな不安をどこかに感じているのかもしれない。僕やBADO!リーダーのスコッチも、そして南京ツアーに参加した数名も、そんな不安を抱えて今年南京に行ってきたのでした。
行ってみるとそんな不安はすぐ吹き飛んだ。
日本人と分かると「行ってみたい」と日本のことを詳しく聞いてくるタクシーの運転手に出会った。銀行で両替をするために受付に行くと「こんにちは」と日本語で話しかけてくれ、親切に対応してくれた。在住日本人の皆さんとの交流でも、中には嫌な思いをされた方もいたが、ほとんどの方がネガティブな体験をしてなく、むしろ南京の人はあたたかく、居心地がいいという。
僕自身は今年3回の訪問で1度だけ面と向かって、あからさまに虐殺のことをガツンと言われたことがあったけど、99%は何も他の中国の都市と変わらないと思った。そんな意外な「南京の今」を知るだけでも行く価値があると思う。
過去はどうだろう。
南京訪問時に絶対外せない訪問地は、南京大虐殺記念館(侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館)だ。4.7ヘクタールという広大な土地に壮大なスケールで日本の非道な行為を展示している。中国自身が愛国主義教育のために建設したと書いているように、日本という外敵の存在を強調することで、広い中国をひとつにまとめようという意図もうかがい知れるが、当時日本が行った残酷な行為は、決して許されることではない。余談だが、日本人の僕ですら反日になってしまいそうな展示内容だった。展示を見た中国人のコメントには「日本に行って日本人を殺してやる」なんてコメントもありぞっとした。この展示を見た中国人の一部は、こういう気持ちになるほどの衝撃を受けるかもしれない。
南京大虐殺については主に被害者数についての議論があるが、重要なことは、実際に侵略し、大変な被害を負わせてしまった事実を知ることだ。もう一つ大切なことは、日本が戦後、戦後と片付けていることが、中国では「決してこの国恥を忘れない」と永久に記憶しようとして教育していることを知ることだ。これからますます日中の関係が重要になってくる中、知らないでは済まされない過去を、南京で知って欲しい。
前事不忘 後事之師(前の事を忘れず、後世の戒めとなす)
【おすすめ訪問場所】

南京 孫文の墓
南京大虐殺記念館
中山陵・・・孫文の墓
玄武湖・・・かつて三国志の時代、孫権が水軍を訓練した場所
中華門・・・南京の城壁
夫子廟・・・孔子を祭っている。観光船がある。夜景が綺麗。
南京博物院・・・北京故宮博物院と並ぶ中国最高峰の総合博物館。
明孝陵(世界文化遺産)・・・明の太祖洪武帝朱元璋と后妃の陵墓。
【アクセス】
日本からの直行便も一部都市から出ているが、上海からの新幹線が行きやすい。上海から2時間程度だ。ただし、当日利用の新幹線チケットは売り切れで買えないことも多い。その場合、駅周辺のダフ屋から買うことができるが料金は数割高くなる。できるだけ、余裕を持ってチケットは購入したい。